「トイレに行きたくなったらすぐにいけ」
ずいぶん卑近な格言で、
「本当に格言なんだろうか?」
とすら思えてしまいますが、これ、優秀な人間の多い民族として知られているユダヤ人に伝わっている格言のひとつなのだそうです。
解釈はいろいろあると思うのですが、自分が考えますに、これは松下幸之助さんの「雨が降ったなら傘をさせ」という言葉と通じるものなのではないでしょうか。
なにかに熱中していたり、真剣に取り組んでいたりすると、トイレに行きたくなってもつい我慢してしまうもの。
ですが、そうはいってもトイレに行きたくなるのは生理的なものですから、我慢してもいま一つ集中できずに、結局は中途半端な状態になってしまいがちです。それくらいならばさっさとトイレにいって、心機一転またとりかかるほうが効率がよさそうです。
ということは、都合が悪いからといって状況の変化を無視して我意を通そうとせず(=むりくりトイレを我慢せず)に、変化にあわせて素直に動く(=トイレに行く)のが一番である、という教えが含まれているのではあるまいかと思うのです。
こんな卑近な例にも教訓が含まれるのは興味深いところです。
……まあ、たまたま偉い先生の講義中、そわそわしている学生がいたので
「いいからさっさとトイレに行ってきなさい」
とたしなめたのが何故か格言として扱われちゃったのではあるまいか、という思いも、なくもないのですが。